特集 連携と利用者を意識した「記録」
共通記録書作成の試み―居宅サービス記録研究会の取り組みから
杉田 美佐子
1
1新緑訪問看護ステーション長津田
pp.272-277
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901471
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
介護保険制度が開始され,早2年が経過しました。制度開始当初は,慣れない書類の作成と国保連への介護報酬の請求,ケアプランの変更・修正,各サービス事業者間の連絡調整,介護保険制度自体を理解することなどに追われ,目まぐるしく時間が過ぎていってしまいました。なにしろ,作成する書類の多さに戸惑いながら仕事をしていたと思います。
最近になり,やっと利用者も事業者も介護保険制度に慣れてきて,何とかスムーズに日々のサービス業務が行なわれるようになってきたのですが,まだまだサービスを提供していくのに十分な労働力が確保されていないのが現状です。サービス担当者会議,ケアカンファレンスもなかなか開催できない状況にあります。措置制度の時とは異なり,「契約」によってサービスが提供されていることを十分に自覚している利用者は多くありませんし,逆に権利ばかりを主張して,サービス事業者とトラブルを引き起こす利用者もいます。その都度,ケアマネジャーは仲裁や調整に奔走することになってしまうのですが,行政に相談しても,「介護保険下の出来事はケアマネジャー主体だから」と大きな協力はしてもらえないようです。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.