特別記事
あずみの里裁判の判決とこれから—患者の「尊厳」を守り抜く看護と介護の協業のあり方
川嶋 みどり
1
1日本赤十字看護大学
pp.586-590
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201244
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2018年7月のある朝、筆者は松本駅前から車で長野県・安曇野に向かった。市中を離れるとまもなく、北アルプスの山並みを背景にした緑濃い田園風景が広がり、目的地の特別養護老人ホームあずみの里に着いた。玄関前には細川施設長らが出迎えてくださった。訪問目的は、ここの食堂をこの目で見ることであった。
5年前、この食堂で起きた不慮のできごとに端を発して、1人の准看護師が「業務上過失致死」容疑で裁判になり、近日中に筆者も証言台に立つことになっていた。これに先立って、弁護団から依頼された鑑定書のために、すでに10数回に及んでいた公判記録をはじめ、膨大な資料を読み、自分なりの見解をもっていたつもりではあったが、証言に際して、よりリアルな当時の状況を把握しておきたかった。
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