連載 認知症の人とその家族から学んだこと—「……かもしれない」という、かかわりの歳月のなかで・第26回
ケアリングが直面するいくつかの問題群(そのⅡ)
中島 紀惠子
1,2
1新潟県立看護大学
2北海道医療大学
pp.510-511
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201224
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認知症の予防は否定されるものではないが、しかし……
お役所言葉では「地域共生社会」。言葉を変えると「近所づきあい」か。厚生労働省は、ますます進む少子・高齢社会の社会保障の議論の際に決まって言われる「費用負担増」か「サービスカット」の問答から離れて、「我が事・丸ごと」で「地域共生社会」に取り組もうという考えを打ち出した。
この着想の裏には、地域人みんなのエンパワーメントに力を借りないと、町や街が消えゆくといった現実がある。しかし、認知症であってもなくとも、病や障害のすべては「個人に属するもの」ではなく、「人と人のつながりの間に成り立つもの」という位置からのケアリングが伴わないと「共生」「社会」にはならない。
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