連載 認知症の人とその家族から学んだこと—「……かもしれない」という、かかわりの歳月のなかで・第25回
ケアリングが直面するいくつかの問題群
中島 紀惠子
1,2
1新潟県立看護大学
2北海道医療大学
pp.362-363
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201186
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虐待の連鎖を断つ
つい先頃、某グループホームの夜勤専従の契約職員(男性)が入居者の高齢女性に暴力をふるい逮捕されたニュースが、生々しい暴行シーンの映像と一緒に報道された。映像は、母親の身体のいくつもの大アザに不審を抱いた家族が、小型カメラを設置して撮ったものだそうだ。
報道によると、この施設では夜間から早朝までの間、主におむつ交換や寝具・寝衣交換の作業をする職員を1階に1人、2階に2人雇い入れて、24時間介護体制を標榜していた。1階と2階の夜間の担当者同士が話し合う機会はなかったという。そうであれば、日勤と夜間の担当者が居住者の状態を伝え合うという至極当たり前のルールはもとより、それ以前の職員間の交流さえ冷え冷えとしていたことであろう。
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