書評
『異なり記念日』|研ぎ澄まされた観察力と対話力
鶴岡 浩樹
1,2
1日本社会事業大学専門職大学院
2つるかめ診療所
pp.119
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201116
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
想像を拡げる著者の「ことば」
『異なり記念日』の著者、齋藤陽道さんは今をときめく写真家だ。障害をお持ちの方を活きいきと写し、ミスチルや窪田正孝さんともコラボする。『精神看護』誌の表紙もその作品と知れば読者は親しみが湧くであろう。僕の場合は園子温監督のポスター1に魅せられた。
陽道さんはろう者で、聴者の家庭に育ち、日本語に近づこうと大変なご苦労をされた。妻のまなみさんもろう者で、ろう者の家庭に育ち、日本手話を母語とする。2人が授かった樹さんは聴者である。本書は身体も言葉も異なる3人の日常生活を、父親となった陽道さんが綴った。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.