書評
—患者と家族にもっと届く緩和ケア—ひととおりのことをやっても苦痛が緩和しない時に開く本
新城 拓也
1
1しんじょう医院
pp.49
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201098
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緩和ケアの原体験
気がつけば医師になって20年、私は自分の専門分野を持つ幸運を得ました。過去に何度も自分のキャリアの節目となる機会がありました。その機会はいつも診療を受け持った患者がつくってくれた天の配剤ばかりでした。
私が緩和ケアの魅力にとりつかれるきっかけとなった1人の患者のことを今でも明瞭に思い出すことができます。その患者は、肺がんの骨転移で相当な痛みで苦しんでいました。上司に相談しながらその患者の治療を受け持っていた私ですが、痛みの治療がうまくできず、「痛いと言ったときにソセゴン®を注射する」という今では考えられないような幼稚な治療をくり返していました。
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