特集 死を前にした人に私たちができること—現場の語りと事例から考える
—【誌上事例検討会】—看取りに対する苦手意識をもっていたスタッフが、最期まで関わり続けた事例
結城 光
1
1公立岩瀬病院訪問看護ステーション
pp.268-273
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200904
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私は訪問看護師になって16年になります。当初は、訪問看護の役割を自分の中で整理できないまま、1人で訪問することへの不安や責任の重さを感じていました。病院であれば、すぐに誰かに相談できるし医師もいます。自分自身は病院の中で「看護」ができていたと思っていましたが、ただ医師の指示のもとに「医療行為をこなす人」であるだけだったのかもしれないと思うこともありました。
そして、入院中は医師や看護師の指示を聞いていた患者さんも、在宅ではそうはいかないところから、生活に合わない看護指導はあまり意味がないということに気づきました。それまでは、具合が悪くなって病院に来た人と、状態が安定して退院する人にしか関わっていなかったので、悪化すればまた病院に行くことが当たり前と思っていました。
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