特集 死を前にした人に私たちができること—現場の語りと事例から考える
—【誌上事例検討会】—治療を断念していたALSのある女性と夫をチームで支える
相田 里香
1
1居宅介護支援事業所 合同会社青い鳥
pp.255-261
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200902
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実家が看護婦・家政婦紹介所を営んでいたため、私は、幼いころより看護や介護が生活のなかに自然と溢れているところで育った。看護師であった祖母に手を引かれ、近隣のいわゆる老人病院で、家政婦さんが忙しく複数の方の食事介助をしている不思議な風景や、ひっそりとした病室にひとり静かに横たわる人の姿を目にし、それから、寮でひとり暮らす家政婦さんの語りや郷里への思いを耳にするのが日常だった。
祖父母の稼業を母が引き継いだが、私にはそれが敷かれたレールの上を歩くように思えて、一時はまったく異なる世界を志したこともあった。しかし、ある利用者との出会いをきっかけに、心から看護師になることを望み、気がつくと地域とこの世界へと戻ってきた私がそこにいた。
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