連載 看護管理に活かす看護理論のエッセンス・4
―ロジャーズ―スタッフの潜在能力に焦点を当てて
坂口 千鶴
1
1ニューヨーク大学大学院博士課程
pp.921-926
発行日 2003年11月10日
Published Date 2003/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100940
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
現在の厳しい経済状況は病院経営など医療の現場にも影響し,医療改革や経営管理の視点から入院期間の短縮,人件費削減が行なわれている1),また医療環境の変化は国民の医療に対する期待に変化をもたらすとともに,健康に対するニーズの多様化をもたらしている2,3)。これらの看護職を取り巻く状況の変化は,看護業務の多様化や複雑化につながり,ストレスによる看護職の職場不適応や,さらには離職へとつながる場合も少なくないとされている4)。このような状況のなか,多くの新卒の看護師は高度な専門知識に裏付けられた看護を目指し,大きな期待をもって看護の現場へと入ってくる。
しかし,医療現場に初めて立つ看護師にとって,基礎教育での看護過程を中心とした1対1の看護とは異なる,限られた時間の中での看護技術中心の業務にリアリティショックが大きいのが現状である5)。また,医療現場が期待している新卒看護師の看護技術能力と実際の能力には大きな乖離があることも指摘されている2)。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.