特集 息苦しい療養者のQOLを高める 包括的呼吸リハビリテーション
長期に生活を支えるうえで必要な、包括的呼吸リハビリテーション
竹川 幸恵
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1地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪はびきの医療センター呼吸ケアセンター
pp.356-361
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200691
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慢性呼吸不全患者にまつわる問題
慢性呼吸不全患者の課題
慢性呼吸不全患者は、病状の進行とともに息切れが増強していくため、日常生活や社会活動が制限され、役割や趣味・生きがいを喪失する可能性が高い。また、他者への依存も増加するなか、呼吸困難の苦しさを他者には理解してもらえないことなどから、今まで培ってきた自己概念が揺らぐことも多い。さらに患者は、薬物療法や在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy:HOT)などの治療や、禁煙、栄養、運動などの療養法を習得し、生活に取り入れていかなければならない。その過程で、患者は抑うつや不安、孤独感の増強や閉鎖的なライフパターンへの変化など、さまざまな心理社会的問題を抱えていく*1・2なかで、セルフマネジメント能力の向上、生活や自己概念の再構築という大きな課題に取り組まなければならない。
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