特集 地域を活性化する専門看護師の力
【実践報告】地域の専門看護師は連携や協働の橋渡しになれる/専門看護師は必要不可欠
扶蘓 由起
1
,
森井 正智
2
1医療法人ひばりホームホスピスひばりクリニック奈良在宅ホスピスセンター
2医療法人ひばりホームホスピスひばりクリニック
pp.951-956
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200587
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私が在宅看護をめざすようになったのは、15〜16年前に大学病院で勤めていたときに、経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)のチューブの管理さえできれば、自宅に帰ることができるにもかかわらず、1年間の入院となってしまったがん患者さんとの出会いが大きく影響しています。その患者さんはPTCDを在宅で管理できる在宅医や、訪問看護師が見つからず、結局大学病院に約1年間入院していました。9時消灯だとか、巡視に来られるなど生活が管理されているにもかかわらず、その患者さんはPTCDチューブの管理があるために病院のほうが安心できるといっていました。そういう患者さんを目の前にして、いろいろな医療処置が必要でも、安心して地域にいられるような選択肢が存在するべきではないかと思いました。そのために病院と同じ処置が在宅でもできることをめざしたいと思ったのです。
もう1つは、2000年に介護保険が始まった頃は、まだまだ在宅ケアとか、地域ケアというのが、大学病院でも周知されていませんでした。病院の医療者の方々と、対等に話せる看護師が地域にいたら、患者さんたちはもっと安心できるだろうと思って、地域でエキスパートといわれるような存在になりたいと地域看護専門看護師の教育課程へ進学することを決めました。
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