カラーグラフ 終える命 つなぐいのち・第19回
病院のない島——幸齢者の教え
國森 康弘
pp.817-821
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200556
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島根県の沖合に浮かぶ人口600人あまりの島。ここにかつて、看取りの家があった。当時、入院施設を備えた病院や特養はなく、要介護度が重くなると島を離れて本土の病院や施設などに入れられる高齢者の姿がしばしば見られた。
生まれ育ち、80年、90年の人生が詰まったこの島を今になって出たくない——。島でヘルパーをしていた柴田久美子さんに、あるおばあさんがそう泣きながら、足にしがみついた。一緒に涙しながらも島外へ見送るしかなかった柴田さんは、決意し、NPO法人「なごみの里」を2002年に立ち上げた。
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