特集 高齢者の心不全を在宅でケアする
栄養サポートの基本姿勢—「高齢」であることを踏まえ、柔軟さをあわせもった管理を
宮島 功
1
1社会医療法人近森会近森病院臨床栄養部
pp.778-782
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200547
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私は、急性期病院の集中治療室(18床)の担当管理栄養士として日々、栄養サポートを行なっています。集中治療を必要とする患者の多くは、病態が複雑でかつ状態の変化が著しく、栄養状態やADLが低下した方々。人口の高齢化が進んできたなか、複数の基礎疾患をもつ患者も増えています。私が所属する集中治療室では、呼吸器管理をはじめ、透析療法や人工心肺装置などさまざまな高度な治療が行なわれているため、管理栄養士もベッドサイドに行き、患者を直接診て触って病態や状態の変化をリアルタイムに把握し、全身状態の評価を行ないます。管理栄養士も病棟に常駐しながら、チーム医療の一員として心不全患者へのケアを担っているというわけです。
そうした集中治療室で実践を重ねていくなかで気づかされるのは、心不全患者の再入院の多さです。心不全増悪をくり返す患者は、再入院のたびに栄養状態やADLが低下し、退院から再入院するまでの期間も次第に短くなっていく傾向があります。
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