特集 高齢者の心不全を在宅でケアする
—患者・家族、スタッフで共有したい—見逃してはいけない! 心不全のサイン
佐藤 直樹
1
1日本医科大学武蔵小杉病院循環器内科・集中治療室
pp.774-777
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200546
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高齢者にとって、心不全は切っても切れない問題だ
「心不全」と聞いてどのようなことを考えますか? 新聞の死亡欄に出ているような末期的な状況を想像される方も多いのではないかと思います。しかし、それは心不全の一部の方。心不全には4つの段階があり、徐々に進行していくもので、末期的なのは最後のステージの部分*1に過ぎません。多くの心不全の患者さんは、落ち着いていると症状を忘れてしまうような状態のことが多いのです。
そうした患者さんは普段の生活において、たとえば、薬を飲み忘れたり、風邪をひいたりすると、隠れていた心不全が急に顔を出すことがあります。“急”と書きましたが、じつは急でないこともわかっていて、もっと早くからあるサインに気づいていれば、前の段階で苦しくならずに対応できたのでは?というケースも多いものです。
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