特集 病院にとってのゴールドプラン
地域の実情を踏まえ利用できるものは利用する姿勢で—公立病院での実践を通して
斎藤 芳雄
1,2
Yoshio SAITO
1,2
1町立ゆきぐに大和総合病院
2特別養護老人ホーム八色園
pp.841-844
発行日 1991年10月1日
Published Date 1991/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903699
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医療におけるパラダイムの転換はなぜ不可避か
今,我が国で,一般病院の運営に責任をもとうとした時,国の「保健・福祉」の動向を視野に入れることなしに,純粋「医療」分野のみをみて運営にあたることは,よほどの条件がそろっていない限り,ほとんど不可能だと私は考えている.
その第1の理由は,いうまでもなく,今,高齢化社会という我が国の歴史上,はじめての事態に直面しているからである.高齢化社会の到来により,引き起こされている事態は,我が国の社会構造の全面的な転換であり,決して「医療」という狭い枠内での転換だけではないからである.従って我々は,最低限「医療」に隣接する「保健・福祉」の動き位は十分キャッチしておかないと,「医療」自身の基本方針が見出せない情況に追い込まれているのである.
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