--------------------
次号予告・編集後記
小林
,
栗原
pp.884
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200313
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今回の特集を拝読していくなかで、20年前に肺がんで亡くなった祖父の最期を思い出しました。危篤の連絡を受け、入院先に着いたときにはすでに祖父の意識はなく、その12時間後に亡くなりました。思い出されるのは、亡くなったときよりも、亡くなるまでに定期的・機械的にくりかえされた痰の吸引場面です。当時、高校生ながらに、もう逝くのだからそのまま静かにしておけないのかと思いました。今ならば、そして家ならばもっと静かに看取ることができたのだろうかと、思わずにいられません。今後、「老衰」といえる穏やかな看取りがより広がっていけばと願います。…小林
対談収録でお邪魔した夏の永源寺はあいにくの雨、しかしそれがなおさら、木々の葉や田んぼの稲をいきいきと輝かせているようでした。元は保健センターの建物だったという永源寺診療所は、そんな緑のなかにありました。
病むことも、老いることも、誰の身にも起こることです。それをあたりまえだとして甘受するか、正すべき異常な状態として立ち向かうか。最後の最後には受け入れなければとわかっていても、自分や家族の場合は……と考えてみると答えは出せませんでした。あと何十年か生きたらわかるでしょうか。たくさんの人生の先輩たちに尋ねるような気持ちで編集した号でした。…栗原
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.