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次号予告・編集後記
小林
,
栗原
pp.616
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200248
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4月末の第17回在宅医学会のシンポジウムで、孤食である高齢者は、フレイル、サルコぺニアのリスクが高まるとのデータが紹介されていました。この発表を聞いて、ふと機械的対応のファストフード店での1人の食事の空しさを思い起こしました。「食」の楽しさは美味しさよりも、それを共有できることにあるのかもしれません。飲食店の口コミサイトに多くの人が書きこむのもその延長かと。いかに楽しく食べるかは、フレイル、サルコぺニアの予防ばかりか健康やQOLに直結する重要なテーマだと思います。…小林
夢枕獏さんの小説で、陰陽師が紙に生き物の名前を書いて息を吹きかけると、紙がその生き物に変身して動き出す場面がありました。物に新しい名前をつける行為は、その物を新たに生み出すのと同じだから慎重に行なわねばならない、という意味の台詞もありました。
老衰に至る前の「可逆的な状態」がフレイルとして定義され、予防や回復に取り組みやすくなった一方、「不可逆的な状態」を見極める重要性も指摘されています。2つを混同することなく、その人のなかにある力や気持ちに添って支えていく実践のすばらしさを、本特集で改めて学ばせていただきました。…栗原
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