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次号予告・編集後記
小林
,
栗原
pp.800
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200293
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これまで身内を自宅で看取った経験がなく、「家で看取る」ということの意味を肌で感じたことがありません。ただ、今号の特集でさまざまな看取りのエピソードを拝読し、「その人らしく生きた」ことが、よい看取りに共通することであり、多くの人にとって「その人らしさ」を発揮できる最良の場が「家」なのだと思いました。視点を変えれば「家」は、「その人らしさ」が表わされた場であるということ。
緑の多い広々とした場所に住みたいと思った結果、都内の職場から2時間近くかかるところに自宅がありますが、今の場所に移った際、「最期は家で……」という思いを実感しました。…小林
家族や友人・知人と故人の思い出を話し合うときほど、亡くなった人を近く感じることはないかもしれません。グリーフケアというと医療の枠組みに入りますが、口にして、文字にして語るということには、そこに留まらない大きな力があるような気がします。
懸賞論文に応募いただいた100篇近くの作品を読むことは、亡くなった方、書いた方、それぞれにお会いするような体験でした。自分がその人の死について語りたくなるような人がいて、自分が死んだら語ってくれる人がいるという人生は、「孤独」とはほど遠いものでしょう。そんな語りの背景には、殺風景な白ではなく、やはり「家」がいちばん似合うのかもしれません。…栗原
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