特集 「老衰」で家で最期まで—超高齢社会における在宅終末期医療のあり方を考える
【対談】
—「あたりまえに在宅」を実現する—ともに老い、看取る地域のつくりかた
秋山 正子
1,2
,
花戸 貴司
3
1株式会社ケアーズ白十字訪問看護ステーション
2暮らしの保健室
3東近江市永源寺診療所
pp.812-819
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200297
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永源寺地区は、滋賀県南東部に位置する東近江市のなかにある。三重県と境を接している山間農村地域で、地区面積の9割が山林だ。人口はおよそ6000人。いくつもの集落があり、いちばん大きいもので200世帯くらい。山間地は20〜30世帯の小さい集落も多い。高齢化率は30%を超え、60〜70%を超える限界集落もある(2015年現在)。
総面積181.27km2にわたるその全域を受け持つのが、永源寺診療所だ。花戸貴司医師と4人の看護師で、外来・訪問診療を行ない、夜間・休日の往診にも対応している。
一方、東京都新宿区は、18.23km2の面積に人口33万人を超え、高齢化率は22.2%(2015年現在)。新宿新都心や繁華街などで知られる地域だが、古くからの住宅地や団地も点在し、場所によっては高齢化率は50%を超えている。
秋山正子さんはこの地で訪問看護を行ない、2011年には高齢化した団地の一室で相談支援とまちづくりの場「暮らしの保健室」を開設した。
対照的な地域で在宅医療に携わる2人は、「地域包括ケア」の担い手としてともに注目を浴びている。地域のなかで老いていく人を、最期まで支える在宅医療のあり方を語っていただいた。
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