特集 訪問看護の意思決定支援—いつ何をどう行なうことなのか
本人・家族の意思決定支援をする前に—専門職をエンパワメントしたい!
川口 有美子
1,2,3
1日本ALS協会
2NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会
3有限会社ケアサポートモモ
pp.144-146
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200103
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選びたくても選べない環境
——筋萎縮性捜索硬化症(以下、ALS)の患者さんでも、「胃ろうをつけない」という意思決定をする人が増えていると聞きます。
「なんとなく胃ろうはよくない」という雰囲気が専門職にも広がっていて、胃ろうをつけたせいで、きわめて悪い状態でただ生かされているだけ、という報道も目につきます。でも、胃ろうをつけたからこそ生き延びて、今も楽しく過ごしているという姿は、残念なことにほとんど伝えられていませんよね。
胃ろうなどの医療処置が患者さんの尊厳を損なっているというのですが、尊厳を損なっているのは「胃ろう」ではなくて、胃ろうをつけてもその人らしく生きられる「支援」が行われていないことではないかと考えます。
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