連載 学生なら誰でも知っている 看護コトバのダイバーシティ・5
本人の意思
木村 映里
pp.329
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200735
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高齢社会となったいま,主に地域看護の授業では「本人の望む最期」「本人の意思の尊重」ができるよう生活を整えるために看護師の仕事があると教わりました。訪問看護事業所が少ないとはいえ,できるだけ最期を自宅で看取れるようにと。私自身,地域看護実習で訪問看護の見学をしたとき,「こんな状態の人なのに自宅にいられるの!?」と何度も驚き,感動したことをよく覚えています。
しかしその意気込みで臨床に出てみると,私の見ていた訪問看護がどれだけ特殊な例だったのか,嫌というほど思い知らされました。就職先が,生活保護や身寄りのない方を多く受け入れている病院だったことも要因の1つではあったと思いますが,本人の望む最期を迎えるために家族の協力が必須であるにもかかわらず,家族が面会に来ない,もしくはそもそも家族がいない患者さんが多く入院されていました。
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