特集 訪問看護の“あと10年” 2025年までにやっておきたい○つのこと
地域でささえる、つながるまちをつくる
松山 なつむ
1
1訪問看護ステーションかしわのもり
pp.44-47
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200076
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訪問看護ステーションかしわのもりは、北海道十勝の北西、山間部に位置する鹿追町(しかおいちょう)に、2003年に設立しました。訪問範囲は広大な十勝らしく広域で、スタッフ8人で活動しています。できないことを見つけるのではなく、できることを見つけ出し、相互に信頼できるチームをつくり、そのなかで訪問看護師の役割を考える。当たり前のことを、当たり前にやり続けることを大切にしています。田舎ゆえに医療や福祉資源はかぎられ、人材もなかなか集まらないといってしまうと、一歩踏み出す先が見えなくなります。どんな地域でも多かれ少なかれ課題はあるはず。しかし、こうした足りないことに目を向けるのではなく、豊かな自然のなかでこの地域を愛している人とつながりながら訪問していると、感謝の気持ちが湧いてきます。
ステーションの安定経営をめざすには、大規模化・多機能化が望ましいといわれています。私たちの設置主体は、医療法人や社会福祉法人などではなくNPO法人で、完全独立型の小規模ステーションです。山間部で大規模化に限界はありますが、2025年に向けて大切にすることは変わらないと考えています。この地域で生活している人がいるかぎり、訪問看護師が果たせる役割は何かしらあるはずです。このまちに住み続けたい、いつか戻って来たい、さらにはほかの地域の人が行ってみたいと思えるまちづくりをめざして、継続したい4つのことがあります。
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