特集 訪問看護の胃ろうケア―迷いながらも寄り添って
「経口摂取の中止」をめぐる多施設チームのジレンマ
佐藤 十美
1
1セコム医療システム株式会社訪問看護ステーション看護部
pp.884-886
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102629
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重度肢体障害の弘美さんは、7歳で交通事故に遭い、1年間の入院生活のあと、ご両親と自宅療養されている。今年、晴れて成人を迎えた。時おり誤嚥しながらも、経口摂取を12年間続けてきた。年頃の女性らしく、ケーキやプリンなども楽しみ、母親も経口摂取の継続を希望している。しかし、昨年から新たに利用し始めた通所施設(以下、A施設)から、経口摂取による誤嚥の危険性について提起された。
弘美さんは、経口摂取を続けてよいのかよくないのか。また、経鼻栄養や胃ろうの適応なのか。それを検討するため、弘美さんを支援するチームで話し合いをもった。そこで、訪問看護師として、その判断の難しさを感じ、弘美さんの食事について改めて考える機会になったため、ここに報告する。
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