研究報告
訪問看護師の転職意向と定着に関連する環境要因
川野 英子
1
,
平野 美穂
2
,
猪腰 江美子
3
1国際医療福祉大学
2日本赤十字社医療センター
3財団法人星総合病院
pp.669-674
発行日 2011年8月15日
Published Date 2011/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101955
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本研究では、訪問看護師の転職意向と訪問看護分野への定着に関連する環境要因を検討することを目的に、訪問看護師934人を対象としたアンケート調査を行なった。質問内容は、研究者らが作成した39項目の環境要因と訪問看護師の属性であった。分析は、転職などの意向の有無および属性と環境要因とをχ2検定で分析した。
有効回答数は330人(35.3%)であった。「転職意向」と関連する環境要因は、困った場合は相談できるなどの人間関係であった。「訪問看護分野への定着」と関連する環境要因は、転職意向より要因が多く、資格取得などの自己実現や福利厚生などが加わっていた。また、経験年数と環境要因の間にも関連が認められたため、管理者はスタッフの訪問看護経験年数に応じた現任教育を用意する必要がある。さらに、看護師同士や利用者、他職種、設置者らとの人間関係に配慮し、経営理念の共有、キャリアや福利厚生の向上を図る努力が求められる。
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