特集 経験者の受け入れと定着
転職者のキャリアアップとその評価
河野 秀一
1
1伊藤忠人事サービス株式会社コンサルティング事業部
pp.107-110
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101131
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はじめに
伊藤忠人事サービス株式会社は,1997(平成9)年に伊藤忠商事の人事機能の効率化,専門化を図るために設立された人事の専門企業であり,現在は,人事・労務に関するコンサルティング業務および情報提供サービス,給与・厚生・採用・異動・退職・考課・研修,その他人事管理に関する業務を行なっている。
筆者が所属するコンサルティング事業部では,一般企業および医療機関に対して,人事制度構築(従業員区分・給与制度および評価制度),管理職向け人事評価研修,現状分析(人事制度・人件費),従業員意識調査,定期訪問による助言・指導などのサービスを提供している。最近は,病院看護部門から「人事評価」をテーマとした,看護管理者向け研修の依頼が多く,筆者が研修講師を務めさせていただくケースも増えている。
日頃,一般企業の経営層の方々に対し,人事制度の構築・改定業務を提供している視点から,筆者が訪問した医療機関の人事制度を概観すると,いくつかの特徴が浮かび上がる。それは,(1)人事評価(目標管理制度など)を実施していても評価結果は育成にのみ活用し,給与や賞与にはほとんど反映させていない,(2)看護部でクリニカルラダーという能力評価制度を整備しているが,院内の従業員区分(資格等級など)とのリンクがなされていない,(3)「卒後年数」による処遇の意識が強い,ということである。
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