研究報告
在宅で老親を介護する未婚子の介護生活への対応と介護観
木村 千絵
1
,
河野 あゆみ
2
,
金谷 志子
2
,
藤田 倶子
3
1大阪市立大学医学部附属病院
2大阪市立大学医学部看護学科
3宝塚大学看護学部看護学科
pp.663-668
発行日 2011年8月15日
Published Date 2011/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101954
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本研究は、在宅で老親を介護している未婚子の介護生活への対応と介護観を明らかにすることを目的とした。大阪府のA訪問看護ステーション利用者のうち、老親を介護している未婚の介護者4名に半構成的面接を実施した。
質的分析を行なった結果、介護生活への対応として【介護は生活の一部である】【介護を続けるコツをもっている】【介護による精神的負担がある】【介護と自分の生活に折り合いがついている】、介護観として【親の介護は子どもがして当然である】【自分と親は切り離すことができない】【母が羨ましい】【自分は独りで死ぬかもしれない】【自分の老後は自分で何とかする】というカテゴリが抽出された。
以上より、未婚子は「もともと介護基盤が脆弱」であることに加え、「親子関係の密着度の高さ」や「老親への精神的依存」、「自身の老後への不安」といったさまざまな特徴をもつということが明らかになった。
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