巻頭インタビュー ケアする人々・5
―映画「看護覚え書」に寄せて①―看護師60年、まさか映画を創るとは
川嶋 みどり
1
1日本赤十字看護大学
pp.446
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101894
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私にとって看護の原点回帰への指針である『看護覚え書』。19世紀に書かれたものが、なぜ、こんなに胸に響くのだろうと思いながら、読むたびに新たなメッセージをくみ取る喜びを幾度味わったことだろう。
一方、高等教育の広がりのもとで、古典としての『看護覚え書』であり、研究対象としてのナイチンゲールであっても、学生たちの真の教材として活用されていないことを感じていた。本書に流れている奥深い理念を、何とか若い看護学徒を始め臨床の看護師たちに伝えたい思いが強くあった。だが、今泉文子監督に出会うまで、これを映像化するなどという発想はなかった。しかし、20年来の彼女の執念を聞いて、直観的に「きっとできる」と思い、そのチャレンジに意義を感じた。
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