研究報告
在宅療養者の被災にいかに備えるか―災害時要援護者の地震に対する「自助」「共助」「公助」に関する面接調査
木下 由美子
1
,
浅野 祐子
2
,
上岡 裕美子
3
,
伊藤 文香
4
1茨城県立医療大学保健医療学部看護学科
2前茨城県立医療大学保健医療学部看護学科
3前茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科
4前茨城県立医療大学保健医療学部作業療法学科
pp.718-723
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101686
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目的 災害時要援護者と家族の,地震に対する「自助」「共助」「公助」に関する考え方を明らかにする。
方法 茨城県A保健所管内の訪問看護ステーション利用者で,慢性疾患や身体障害のある成人・高齢者と家族を対象に,訪問看護ステーションの紹介を受け,同意を得た23名に面接を行なった。面接者が内容を分析し,共同研究者間で協議して「自助」「共助」「公助」に分類した。
結果・考察 「自助」について,近隣の援助と避難方法の準備教育の要望があり,自らできることは,周囲に物を置かない,落下危険物の除去等であった。「共助」については,近隣と相互支援がある場合は,自ら病状を説明し情報提供の努力をしていた。また,地域の班の単位は,お互いの顔と家の状況がわかり合える関係であった。「公助」については,要援護者登録や事前契約ができる福祉避難所の指定,そこの環境整備や医療職者配置の希望だった。その他,耐震建物への助成等の要望があった。
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