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編集後記
伊藤
,
杉本
pp.576
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101655
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●特集・上之園論文の表1で,さまざまな教育課程を修了した15万6000人(常勤換算)もの介護職が訪問介護に携わっていることを知りました。訪問看護師よりはるかに多い人数の介護職が在宅ケアの現場を支えている。医行為をめぐる待ったなしの状況に,看護師だけではできないことも,多くの介護職の力をもってすればのり越えることができるはずと国は考えたのですね。被介護者・家族も含めて,そこには相互の信頼感がないとなりませんが,納得のいく養成教育や今後のあり方へのステップが準備されてこその連携・協働の実現と思いました。……伊藤
●洞爺湖の縄文遺跡で,重度の小児麻痺だが20歳すぎまで生きたと推定される遺骨が発掘されている。四肢他に強い筋萎縮の跡があり,長年介護を受けていたと推測されている。唯でさえ厳しい環境の北海道で,医療も制度もなかった時代に,「この子を生かそう」とする働きが,意志的にか当たり前にか,そのムラでは機能したのだ。縄文人の心境やいかに? 彼の地を訪れた時,その骨を納めた資料館は積雪で休館。気温は零下,天気は曇天。でも一瞬,雪雲の途切れて青空がのぞき,洞爺の湖面を輝かせた。『逝かない身体』は,その瞬間を思い出させてくれる。……杉本
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