連載 読むことと旅すること 人との出会いに魅せられて・4
6月に寄せて
服部 祥子
pp.570-571
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101653
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梅雨,アジサイ,蛇の目傘,普通はこうでしょうが,今回はシェイクスピア,6月の風,桜桃忌,としましょう。6月に誘われて,今,頭に思い浮かぶものを並べるとこうなりました。
イギリスの文豪シェイクスピアの作品のなかに,素敵に楽しい戯曲『夏の夜の夢』があります。これは超自然界の王とその妃の他愛ない夫婦げんかと,いたずら好きの小妖精が惚(ほ)れ薬を間違って使ったために若い恋人たちが思いがけない行き違いに巻き込まれてしまうという,どたばたを演じるお話ですが,最後は一夜の夢として,すべてが丸く収まる幻想喜劇です。原題は“A Midsummer-Night's Dream”。
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