アンケート
アンケートに寄せて
鈴木 隆子
pp.59-63
発行日 1955年1月1日
Published Date 1955/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200778
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ここに集つた皆樣の御意見を舞見して少しばかり残念に思うのは,開業なさつて居られる方以外の時別な立場にある助産婦の方達の解答が少いので,この方達の御意見で他の多くの方達の考えが代表出来ないことです.その代り開業して居られる方達のことが幾分察知出来るようです.開業の方達にとつて一番問題になるのは,開業年限と分娩取扱数,それに伴う收入の点でしよう.
收入は大部分の方が,助産婦を業としてのみでは生活の維持が困難で,わずかに家庭の経済を御自分の收入でまかなつて居られるのは1名きりで,その方は年間取扱数100を数えて居られますが,年間100件あれば,1件3,500円として350,000ですからあまり多勢の家族でなければ生活は成立つて行けるでしようが,多くの方達はその半分位のようで,現在開業して居られる方達の大多数が,助産の業務のみでは,生活を維持することが出来ないことをこの少数の方達の解答が如実に物語つて居ります.この問題は私達が今後大いに考えなければならぬものです.
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