書評
「どのような状況であれ,ともに生きる」という生命観
真部 昌子
pp.241
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101568
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筋萎縮性側索硬化症(ALS)は徐々に全身の筋肉が動かなくなる難病で,発症割合は10万人に1人程度。有効な治療法はなく,病状の最終段階では,呼吸困難が起こり,人工呼吸器を装着するのかどうかという選択が患者と家族に迫られる。患者数は2008年3月現在で約8000人といわれているので,読者の中には在宅療養の患者に関わった経験がある方も少なくないと思う。
私は,臨床実習指導で十数年間にわたり神経内科病棟へ行っていた。しかし,学生には一度もALSの患者を受け持たせたことはない。それは短期間の実習では,学生が患者を理解し,看護を実施することが難しいだろうという,病棟側の判断があったからである。
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