連載 ほんとの出会い・48
善光寺から親鸞へ
岡田 真紀
pp.234
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101567
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昨秋,信州上田に母と温泉旅行をした。私は海野宿で江戸時代の風情の残る旅籠屋造りや海野格子の商家が並ぶ北国街道を散策したかったのだが,母は善光寺に行きたいと言う。いわゆる名所旧跡は人がわさわさしていそうで苦手なのだが,これは親孝行旅行,「母に引かれて善光寺参り」となった。
ところが行ってみると,なんとも魅力的な所だった。善光寺平を見はるかす大門,壮大な大伽藍,参道には多くの宿坊が軒を連ね,土産物店にも長い歴史を感じさせる落ち着きがある。観光地ではあるもののさすがに1000年を超えて人々の深い信仰に支えられてきただけに,寺院とそれを取りまく町自体に重々しさがある。
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