連載 ほんとの出会い・5
三線とポークと沖縄のオトウ
岡田 真紀
pp.800
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100330
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♪唐ぬ世から大和ぬ世,大和ぬ世からアメリカ世……♪ 沖縄民謡の神様といわれる嘉手苅林昌さんの「時代の流れ」という歌である。嘉手苅さんと出会ったのは,もう30年も前のこと。音楽大学の学生だった私は,与那国島,石垣島,沖縄本島を旅しながら2か月近く沖縄の音楽を調査していた。
コザ(沖縄市)の作曲家を訪ねた帰り,勧められて嘉手苅さんのお宅に行った。嘉手苅さんは日比谷の野外音楽堂で開かれた沖縄フェスティバルに出演したり,レコードを何枚も出しておられる有名人。気後れしながら伺ってみると,なんと半分地下にもぐったような,失礼ながらみすぼらしいともいえる住まいだった。
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