連載 ヒト・モノ・バをつなぐ認知症ケア―今日のデザインの役割・14
介護サービスの利用と関連する関係づくり
山崎 正人
1
1東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程
pp.712-715
発行日 2009年8月15日
Published Date 2009/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101411
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「つなぐ」ために必要なコミュニケーション
●良好な関係づくりの必要性
本稿で取り上げるテーマは,「介護家族」と「介護サービス提供者」間の関係づくりです。母の通院では,主治医に向けて認知症の「症状」の変化を書類にして報告することがありました。これは,前回の診察時から約1か月と間隔が開くため,その間の情報を正確に伝えようと行なっていた方法です。
介護サービスの利用においても,家族と介護サービス提供者間に情報のやり取り(コミュニケーション)が発生します。ここで必要とされる情報には当事者の情報と,それ以外に家族の情報など多岐にわたります。これらの情報は,主に「ケアプランを作成するために必要とされる情報」と「介護に関わる当日,または最近の母の様子の報告」に大別できます。前者は,主にケアマネジャーに,後者は,直接母と接するヘルパーやデイサービス,ショートステイ施設の職員に向けての情報伝達でした。
介護サービスの利用期間には,このような情報伝達のやり取りが,家族と介護サービス提供者との間で頻繁に行なわれました。そのために相互の良好な関係づくりが重要となります。本稿では,介護サービスの利用に伴い,両者の良好な関係をつくるために実施した取り組みを紹介します。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.