特集 「介護サービス情報の公表」制度の実施を前に
「介護サービス情報の公表」の仕組みと意義―利用者による介護サービス事業所の適切な選択に資するために
久留 善武
1
1社団法人シルバーサービス振興会
pp.802-810
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100213
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介護保険の基本理念を実現する環境整備の必要性
厚生労働省における検討の背景と調査研究の趣旨
介護保険制度は施行から5年を経過して,要介護認定を受けた介護サービス利用者数は400万人を超えている。一方,民間企業やNPOなどの参入拡大に伴い,介護報酬の請求を行なっている介護サービス事業所数も13万事業所を超えるまでに拡大してきており(医療機関等で見なし指定を受け実際にサービス提供をしていない事業所を除く),介護サービスの供給基盤は急速に整いつつあるといえる。
いうまでもなく介護保険制度は,「利用者本位」「高齢者の自立支援」「利用者による選択(自己決定)」を基本理念とし,多様な事業者の参入を前提にしながら,利用者が自ら主体的に事業者を選択し直接契約により利用する仕組みである。利用者がよりよい事業所を選択することで市場メカニズムが適正に機能し,介護サービス全体の質の向上や事業の効率化が図られることが期待されている(注1)。
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