特別記事
NICU臨床からみた小児訪問看護の可能性と課題
加部 一彦
1
1総合母子保健センター愛育病院新生児科
pp.220-223
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101281
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はじめに
最近はともすれば「医療崩壊」などとネガティブなイメージで語られがちな周産期医療であるが,1980年代以降のおおよそ四半世紀の経過を振り返ってみれば,新生児医療の技術的な進歩と,全国的なNICU病床の整備が進んだことは紛れもない事実であろう。わが国の新生児死亡率が今なお世界でも最も低いレベルを維持していることは,この間に行なわれたさまざまな努力が十分であったとは言えないまでも,決してムダではなかったことを示していると言える。しかし,その一方で,私たちが積み残してきた課題も少なくなく,なかでも「NICU長期入院児」とそのフォローに関する問題は単に新生児医療のみならず,小児医療や家族にまで影響する重要な課題として議論する必要があろう。
本稿では,NICU臨床においては「古くて新しい」問題である長期入院児や長期の療養・療育を要するNICU退院児に対する訪問看護の可能性と課題について述べる。
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