特集 医行為外とされるケアの実践
介護職の行なう在宅での医療行為―ALS患者のたんの吸引について
吉野 英
1
1吉野内科・神経内科医院
pp.552-556
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101110
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増加する難病患者数とベッド数の削減
昨今,高齢化に伴う認知症患者の増加が懸念されていますが,同じように難病患者も増加しています。表1は2006(平成18)年度末の特定疾患医療受給者証の所持者数ですが,総数で58万5824人(平成17年度末は56万5848人)となっています。筋萎縮性側索硬化症(ALS)に関しては7695人(同7302人)となっており,毎年400人くらいずつ増えており,現在は8000人を超えているのではないかと思います。
15年くらい前までは,気管切開をして人工呼吸器を装着した患者さんは病院で終生を過ごすしかありませんでした。しかし人工呼吸器の在宅での使用が医療保険の適応になってからは,人工呼吸器装着患者の在宅での療養が可能になり,現在は全国で2000人くらいの方が人工呼吸器を着けて在宅療養されていると推定されます。
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