事例報告
終夜睡眠ポリグラフィーの結果からNPPVの圧調整を行なった在宅ALS患者の一事例
本間 里美
1
1東北文化学園大学
pp.56-59
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102405
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はじめに
非侵襲的人工呼吸療法(non-invasive positive pressure ventilation:NPPV)の早期導入によって、筋萎縮性側策硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)患者のQOLは飛躍的に向上する*1。NPPVの継続は、高二酸化炭素血症・低酸素血症を予防するだけでなく呼吸筋の休息となる。
ALSは進行性であるため、呼吸筋麻痺は着実に進行していく。この変化の時期を見過ごさず、状態に応じた圧設定を行なうなどの最適使用とケアがNPPVの継続につながる。今回、在宅で24時間NPPVを行なっているALS患者に対して、終夜睡眠ポリグラフィー検査を行なった。
終夜睡眠ポリグラフィー検査とは、夜間の睡眠障害の診断に用いられる検査の1つで、睡眠中の脳波・呼吸・脈拍・酸素飽和度・胸壁運動・腹壁運動などを記録して睡眠時無呼吸・低呼吸の状態を把握することができる検査である。
本症例では、携帯装置を利用しているため脳波の測定は行なっていないが、終夜睡眠ポリグラフィー検査の結果をもとにNPPVの圧設定を調整したところ、良好な結果が得られたため、以下に報告する。本症例に対する調査・報告においては書面にて本人・家族の同意を得た。
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