特集 認知症の人と家族をどうサポートするのか
―援助者をサポートする―相談窓口での対応から②―神戸市認知症高齢者総合相談窓口の活動から
金子 麻理
1
,
大口 順子
1
1神戸市社会福祉協議会神戸市認知症高齢者総合相談窓口
pp.465-470
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100152
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相談窓口開設までの経緯
高齢者介護で大きな課題となっている認知症高齢者の介護に対する支援策の1つとして,神戸市では「神戸市認知症高齢者総合相談窓口」(以下,相談窓口)を2004(平成16)年9月30日に開設した。相談窓口設置は,2003(平成15)年7月に設立した全市レベルで認知症介護への支援施策等を検討・推進する「神戸市認知症(痴呆)介護ネットワーク」(以下,ネットワーク)の協議に基づくものである。ネットワークは,認知症介護に関わる保健・医療・福祉の関係機関が協力・連携して認知症介護の質の向上を図るほか,相談窓口への支援体制(後方支援)を担うことが位置づけられており,当初は相談窓口の機能やその支援策を中心に協議された。
ネットワークに先駆け,2003(平成15)年6月,神戸市ケアマネジャー連絡会は,介護支援専門員の認知症高齢者への対応状況を把握するため,全会員を対象としたアンケート調査を実施した(回答者数:200人)。この結果,介護支援専門員が認知症の中核症状・周辺症状への対応や介護者・家族への支援方法に苦慮している状況と,周辺症状が著しい時のショートステイの確保,精神科医の往診体制や専門医療機関への紹介など医療機関との連携強化を希望していることが明らかになった。
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