特集 DVは女性の健康問題である
いざという時の相談窓口
高田 昌代
1
1日本DV防止・情報センター
pp.607-612
発行日 2000年7月25日
Published Date 2000/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902447
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DVの被害を受けている女性は,その状況を回避したり,状況を改善したいと思っている。最終的な選択としては,自分自身がその暴力に正面から対決するか,逃げるかのどちらかである。自己決定のために適切な相談機関の窓口に出会うことは重要なことである。DV被害女性が,自己決定ができるようになるまでの期間のなかで何を望んでいるか,専門家は極力きめ細かにつかんで相談機関と連携していただきたいと思う。
夫や恋人から暴力を受けて,恐怖や不安を抱いていたり,今後自分はどのようにしていけばよいか分からず混乱している時,誰かに話したり,相談したりすることで気持ちが楽になったり,考えを整理したり,自信を取り戻すことができることが多い。また,新たな情報や違った角度からの考え方も得られる。しかし,DVの暴力を受けている女性は,支配者である夫・恋人の「マインド・コントロール状態」に陥っているため,なかなか行動が起こせないことが多い。ある女性は,女性センターの電話番号を財布の奥に5年間も忍ばせ,「この紙が私の支えになっていました。その時期を待っていました」と言った。女性に行動を起こす力がついて,その時期が来たときのために,前もって相談窓口の情報を伝えることは大変重要なことでもある。
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