特集 言語障害をもつ人とのコミュニケーション
集いの場が持つ力―失語症デイサービス見学記
本誌編集室
pp.382-385
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100136
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はじめに
「―失語症デイサービスは,ことばの障害をもつ本人と家族が抱く『もっとよくなりたい』『よくなってもらいたい』という切実な思いを,常勤の言語聴覚士などのスタッフがしっかりと受け止める場です。このたび,私たちは坂戸市内でマンションの一室を改装して,失語症デイサービス『はばたき』を始めることと致しました」
老人保健法の施行を受け,退院後の脳卒中患者に対して各市区町村で「機能訓練事業」が始まったのが今から約20年前。この事業は,閉じこもりの防止と機能回復訓練等を目的に,行政保健師と主にPT・OTが組んで行なっていたが,一部の地域では,STが加わり失語症者のための「言語リハビリ教室」も開かれていた。介護保険の時代に入り,STのいるデイケアやデイサービスも増え始めている。そんななか,民間事業者が新たに失語症専門のデイサービスを始めるという。利用見学会を知らせる1通の案内状を手に,埼玉県坂戸市へ向かった。
東武東上線坂戸駅北口から徒歩10分,国道407号線のわき道を入ってすぐのマンション1階に,デイサービス「はばたき」がある(表)。見学会は10~12時のはずなのだが,15分前にたどり着いてみると,6畳の部屋を2間つなげた室内は超満員。利用希望者,付き添い,見学者をあわせると約50人が集まっていた。
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