特集 言語障害をもつ人とのコミュニケーション
日常ケアにおけるコミュニケーションのコツ―本人の伝える意欲を引き出すための話し方,接し方
平澤 哲哉
pp.375-381
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100135
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
私は,在宅の言語障害者の訪問ケアを行なっている言語聴覚士です。主なケア内容は,失語症や発音の障害(構音障害,発声障害など)を持つ人への言語訓練などのコミュニケーション指導,脳高次機能障害の評価と訓練,嚥下・摂食機能の評価と訓練です。私自身,大学在学中に交通事故に遭って失語症を経験していますので,多少はことばを失った人の気持ちがわかると思います。2002年3月に勤めていた病院を退職し,現在20名の利用者さんを訪問しており,そのうち保険外での利用は3人です。
現在は在宅訪問のほか,老健施設やデイサービスセンターに出かけたり,市町村の保健師,地域のケアマネジャーなどとネットワークを組んで,活動を展開しています。最近は看護職,介護職の集まりで話をさせていただく機会も増えてきました。日常のケアにあたる看護・介護職が生活の場でよりよい関わりを持っていただければ,失語症のご本人や家族の安心につながると思います。本稿では,言語聴覚士の視点から,失語症の人との接し方のコツをいくつか紹介します。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.