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牟田病院見学記
西端 驥一
pp.59
発行日 1957年1月20日
Published Date 1957/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201724
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最近村上理事と一緒に大阪地方会に出席したがそれを機会に牟田病院を見学した。そして強い感銘を受けた。結論を先きに云うと私が教職につかないで開業して居たら恐らく理想として計企したであろう事を残らず実現されていたのに驚いたのである。
研究室あつて日本のバツクナンバーが揃えてあり外国の雑誌もとつて居るようである。勿論大学の研究室とは比較する訳には行かぬが臨床研究室として相当の事が出来そうである。最も驚いたのは講堂であつて数十人の椅子が整然と列び黒板,映写膜,懸図掛も小ちんまりと設備されしかも立派である。之は毎月の集談会を行うためであるが数十年持続した実歴を持つている事は大変な事だ。宣伝だと蔭口をきく人もあるようだが単なる儲け主義では出来るものではない。研究に対する熱意がなければあのスペースと設備に莫大な費用をかけられるものではあるまい。事実氏の研究慾は旺盛であり,その批判は適切で嚴しい。
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