連載 花凪の人々─なりたい自分になる介護・9
下宿人は大忙し
木村 美和子
1
1NPO法人在宅生活支援サービスホーム花凪
pp.254-255
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100109
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ルールがないのがルール
毎日続くSさんとコロちゃんのお散歩。Tさん,Mさん姉妹の「起きろ!」と「起きるものか!」の攻防戦。働き者のKさんは食事づくりのお手伝い。Mさんが下宿人となってから早3か月が経過し,木村家3人と下宿人4人での暮らしもそれなりに落ち着きを見せ,それぞれの日課も定着し始めていました。
その中で,花凪下宿のルールを作ろうと果敢に挑んだのがKさんでした。Kさんは,「ご飯の支度が整ったら,皆そろって『いただきます』を言って食べよう」と主張します。しかし,何度言っても他の下宿人は完全無視。Kさんは,皆を説得するよう私に訴えました。
「奥さんからも言ってやってくれ!」
「私も,皆そろって,声をそろえてというのは好きじゃないから…」
と言うと,
「おめぇがだらしないから,みんなだらしなくなるんだ!」
とお叱りを受けてしまいました。
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