連載 花凪の人々─なりたい自分になる介護・4
いろんな人がいてこそ
木村 美和子
1
1NPO法人在宅生活支援サービスホーム花凪
pp.768-769
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100560
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セラピー犬登場
Tさんが下宿する半年前に,トイプードルのひなが子犬を3匹産みました。私と姪と娘が出産に立ち会い,へその緒を結んで切ったので,感動もひとしおでした。花凪に来る人を和ませる,“癒し犬”としての役割を大いに期待された子犬たちでしたが……食い意地の張った“いやしい犬”からなかなか進化できずにいます。そんな3匹の名前は,ひなとこびなとはれ。
ある朝,「わかったから,なめないで。起きるから」という笑い声を含んだTさんの声が聞こえてきました。朝食を準備する手をやすめて,様子を見に行ってみると,3匹のいやしい犬がTさんの顔をなめています。しばらく事態を見守っていると,Tさんは犬たちとの約束どおり,ベッドから起き上がりました。Kさんがどんなに大声で号令をかけても,起きなかったTさんなのに……。
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