こんにちはメヒコ 看護交換留学記・3
てんやわんやの下宿生活
古瀬 敬子
pp.322-324
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918915
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下宿の女主人は未亡人相談相手は下宿人の〈マリア叔母さま〉です
1978年7月15日,我々留学生はメキシコに関する種々のオリエンテーションを終え,研修先である各地方,また各家庭へと分散しました.既に他の書類と一緒に里親の名前と住所を受け取っていましたが,下宿の半数以上は未亡人の家庭でした.人間の出会いは偶然に導かれることが多いと思いますが,名前を知らされた人々との出会いは,自分の人生を賭けた見合いの席に立つような緊張感をもたらします.
私は,未亡人セニョーラ・ホセフィナの里子になりました.彼女はフランス人とポルトガル人の血が混じったスペイン人です.年の数は十分といっても,若かりしころの面影と美しさのただよう学識ある中産階級の未亡人です.4人の子供たちは皆それぞれに独立していますから,家には2人のメキシコ人,クリスチナとマリア未亡人が下宿しており,そこへ私が加わると,お手伝い1人を含めて総勢女5人のたたずまいができ上がります.
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