特集 21世紀における看護制度のあり方を問う
保健婦助産婦看護婦法の立法・成立過程―どうして准看護婦制度はつくられたのか
田中 幸子
1
1北里大学看護学部
pp.14-21
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902298
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占領期での制定が今日に与えた影響
1948年7月30日,「占領期」という特別な政治・社会環境の中で,保健婦助産婦看護婦法(法律第203号:保助看法)が制定された。その後,占領期だけで合計3回の法改正が行なわれた。
その1つが,1951年4月14日に法律第147号として成立した准看護婦制度である。准看護婦制度は医師会の要望が強く反映された結果成立したものであるが,その背景には,厚生省や国会,医師会,看護協会,労働組合などそれぞれの組織の看護制度に対する政策上の対立があった。GHQ(連合軍最高司令官総司令部)公衆衛生局もまた日本の看護制度に対する期待があり,さまざまな希望や期待が交錯する中で立法化されたものである。占領期に制定された准看護婦制度は,今日までその存置と廃止をめぐって争われており,占領期の保助看法の立法・改正法は現代の看護制度のべ一スとなっている。
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