特集 21世紀における看護制度のあり方を問う
[座談会]看護業務の現状と保助看法から看護制度を考える
能條 多恵子
1
,
小島 通代
2
,
鈴木 利廣
3
1富良野看護専門学校
2日本赤十字九州国際看護大学
3鈴木利廣法律事務所
pp.6-13
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902297
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看護の専門性とは何か
―本日は,新しい世紀を迎えるにあたり,これからの看護制度のあり方と,その実現に向けてどのようなことを考えていけばいいのかをお話しいただければと思います。
能條 私は,臨床で看護婦として働くなかで,自分は看護をするために免許をもらったはずなのに,「看護って何だろう?」と考えたときに答が出てこなかったことがありました。これがきっかけで,札幌近郊のナース有志による勉強会を始めました。
その勉強会で追究してきたものは何かというと,看護の専門性とは何か,看護の独自性とは何か,看護の主体性とは何かということでした。勉強会の中心メンバーであった紙屋克子さんから札幌麻生脳神経外科病院の立ち上げに参画してほしいという要請があり,参加しました。そのとき,「看護部の独立を」というような気概をもったことを覚えています。しかし,看護の専門性,主体性についての理論的な根拠をもって看護活動をしていたかというと,そう簡単なものではなく,実際にはノウハウばかりが先行し,スタッフからは,「業務に追われて看護ができない」という言葉がよく聞かれました。
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