特集 21世紀における看護制度のあり方を問う
新しい法に期待する―社会学の視点から
似田貝 香門
1
1東京大学大学院新領域創成科学研究科
pp.22-26
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902299
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「保健婦助産婦看護婦法(保助看法)」が創設されてから優に50年を経た。この法が戦後直後の当時の看護界にいかに革新的であったかは,それ以前の看護システムを想起すれば十分であろう。この法は,ともかく形の上で,看護職の業務が保健医療領域の重要な担い手となった公的な表現であった。それから50有余年のあいだ,「保助看法」は若干の手直し的改正はあったが,いまだ,抜本的改正はなされていない。
ところが,多くの論者が指摘するように,現代社会が期待している看護システムと,現行法との距離は大きく離れてしまった。そればかりか,この法は現代の看護制度の期待すべき姿にとっては今や桎梏となっている,といっても過言ではない。
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